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県立高校普通科の学区制廃止についての提言をまとめた有識者会議=2025年1月29日午後1時7分、徳島県庁、相江智也撮影

 徳島県の公立高校普通科の学区制のあり方について検討する有識者会議(座長=佐古秀一・鳴門教育大学長)は29日、2029年度にすべての県立高校普通科について学区制を撤廃する方針を盛り込んだ提言をまとめることを決めた。近く、中川斉史・県教育長に報告する。

 県立高校普通科の通学区域は現在、小松島市、阿南市など県南部9市町村の「第1学区」、鳴門市、三好市など県北部14市町の「第2学区」、徳島市の「第3学区」に分かれており、徳島市に隣接する北島町、藍住町など5町村は第3学区も選択できる。すでに全県が通学区域の城東、富岡東、川島の3校以外は、学区外からの入学者の上限(流入率)がある。

 中学3年生対象の進学希望調査では毎年、徳島市内の高校を希望する生徒が定員を上回っている。一方、その他の地域の高校は定員を下回る傾向があり、公平性の観点から、学区制撤廃を求める声が出ていた。

 提言案では、学区制の撤廃時期を現在の小学5年生が受験する29年度が適当とした。学校現場の混乱を避けるため、現在12%の第3学区の流入率を、26年度は14%とし、その後は県教委に判断を委ねた。徳島市立高校については、市が主体的に検討することとしている。

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